子どもの歯が抜けたけど、これは普通?
〜乳歯が抜けるタイミングと注意すべきサイン〜
2025.06.24
子どもの歯が抜けたけど、これは普通?
〜乳歯が抜けるタイミングと注意すべきサイン〜
保護者の方からよくご相談いただくのが、「子どもの歯が抜けたけれど、これは大丈夫ですか?」という内容です。
乳歯が抜ける時期の目安や、心配すべきサイン、歯科受診のタイミングなどを、現役歯科医師の視点から丁寧にご説明します。
- 子どもの歯はいつ抜けるのが正常?
乳歯(子どもの歯)は、通常6歳頃から抜け始めます。
最初に抜けるのは、下の前歯(中切歯)で、順番に上の前歯、奥歯と進んでいきます。
12歳ごろにはほぼすべての乳歯が抜け、永久歯に生え変わるのが一般的です。
- これは正常?よくあるケース別の判断
☑ 5歳で歯が抜けた
やや早めではありますが、問題がないことが多いです。ご家庭で経過観察を。
☑ 片方だけ抜けたのに、反対側がなかなか抜けない
左右のタイミングが多少ずれても正常ですが、半年以上差がある場合は一度診察をおすすめします。
☑ 抜けた歯のあとに永久歯がなかなか見えない
3ヶ月以上生えてこないときは、骨の中に埋まっている、または方向がズレている可能性があります。
- こんな時は歯科受診を
☑出血が止まらない、腫れが続いている
☑抜けたあとに膿や強い痛みがある
☑乳歯がグラグラしていないのに、永久歯が裏から生えてきた
☑転んで歯が抜けてしまった(外傷)
特に「永久歯が乳歯の後ろに生えてきた」状態は、**“シャークトゥース”**と呼ばれ、放置すると歯並びに悪影響を及ぼします。
- 自宅でのケアと見守りのコツ
☑グラグラしても無理に抜かないこと(自然に抜けるのを待ちましょう)
☑抜けた後はガーゼなどで止血し、お口を清潔に保つ
☑食事は柔らかいものを選び、強く噛まないようにする
歯みがきは歯ぐきを傷つけないように優しく行いましょう
- 歯の生え変わりは“成長の個性”
子どもの成長には個人差があります。
焦らず、見守りながら、必要なときに専門家に相談できる環境が大切です。
おわりに
「ちょっと心配だけど、病院に行くほどではないのかな…」と感じる時ほど、気軽にご相談ください。
私たちは、お子さまの成長を見守るご家族の安心のために、丁寧な説明と対応を心がけています。
小さな疑問でも、どうぞご遠慮なくお声がけください。