歯槽膿漏は歯磨きで治る?具体的な症状や原因、治し方について

2024.10.03

歯槽膿漏は歯磨きで治る?具体的な症状や原因、治し方について

 

歯ぐきから出血したり、腫れて痛みを感じたり、歯がグラグラするといった症状は、歯周病が原因と考えられます。

歯周病は、歯槽膿漏もその一つです。病気が進行し、歯や歯ぐきが損なわれると、元の健康な状態に戻すことは困難になります。

この記事では、歯周病、特に歯槽膿漏の具体的な症状、そのリスク、そして治療法について詳しく解説します。

お口の中に気になる症状がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

 

歯槽膿漏とは

 

歯槽膿漏とは、歯周病が進行した最も重篤な状態です。

歯茎が腫れたり、出血したり、膿が出たり、口臭が強くなるなどの症状が現れます。

さらに進行すると、歯を支えている顎の骨が溶けてしまい、歯がグラグラして最終的には抜け落ちてしまうこともあります。

 

 

歯槽膿漏セルフチェック

 

次の症状に心当たりはありませんか?

 

■歯ぐきが赤く腫れている

■口臭が気になる

■歯ぐきが下がって歯が長くなったように見える

■歯と歯の間が広く感じられる

■歯磨き時に出血する

■歯と歯の間の歯ぐきが丸く腫れている

■歯がグラグラする

■歯が浮いたような感じがする

 

歯ぐきから膿が出る これらの症状が3つ以上当てはまる場合は、歯周病が進行し、歯槽膿漏になっている可能性があります。早めに歯科医院を受診しましょう。

 


参照:8020財団「歯周病セルフチェック、あなたは大丈夫?
https://www.8020zaidan.or.jp/

※テキストリンク※

 

 

歯槽膿漏の症状

 

■歯ぐきの腫れ・出血

歯と歯ぐきの境目には、歯垢が溜まりやすい「歯肉溝」という溝があります。

この溝に歯垢がたまり続けると、歯ぐきに炎症が起こり、腫れて赤くなります。

さらに、歯ぐきが弱くなるため、ちょっとした刺激でも出血しやすくなり、歯磨きや食事の後に出血することがよくあります。

 

■口臭

歯槽膿漏が進行すると、生ゴミや腐った卵のような悪臭が口からするようになります。

これは、歯周病菌がメチルメルカプタンや硫化水素といった悪臭成分を発生させるためです。

 

■歯ぐきが下がってくる

慢性的な歯周病は、歯ぐきや歯を支える組織に深刻なダメージを与えます。

具体的には、歯ぐきの主要な成分であるコラーゲン繊維が破壊され、歯を支える歯槽骨が溶けて減少します。

その結果、歯ぐきが下がり、歯が長く見えるという審美的な問題だけでなく、歯の根元の象牙質が露出することで、冷たいものや甘いものがしみる知覚過敏を引き起こすこともあります。

 

■歯ぐきから膿が出る・歯がぐらつく

歯周病が進行すると、歯ぐきの腫れや出血だけでなく、黄白色や黄緑色の膿が出ることもあります。

この膿は、白血球や細菌の死骸などが集まってできたもので、歯周病がかなり悪化しているサインです。

歯周病が進むと、歯を支えている顎の骨が溶けてしまい、歯がグラグラしやすくなります。さらに進行すると、歯を支えきれなくなり、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。

このような状態になる前に、早めに歯科医院を受診することが大切です。

 

 

歯槽膿漏の原因と治療法

 

歯周病は、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌など、700種類以上いる口腔内の細菌の中でも、特に歯周病を引き起こす特定の菌が原因で起こります。

歯磨きが不十分な状態が続くと、これらの細菌が歯の表面に付着し、歯垢(プラーク)を形成します。

歯垢の中で細菌は増殖し、毒素を出し、歯ぐきに炎症を起こします。この状態が歯周病です。さらに進行すると、歯を支えている骨が溶ける歯槽膿漏へと発展します。

歯周病の治療は、歯垢や歯石を除去し、口腔内の細菌数を減らすことが基本です。歯磨きも重要な要素ですが、歯周病の進行具合によっては、歯科医院での専門的な治療が必要となります。

軽度の歯周病であれば、歯科医院で歯石を除去してもらい、正しい歯磨き方法を指導してもらうことで、改善が見込めます。

しかし、歯槽膿漏のように進行した歯周病の場合、歯磨きだけでは治療が難しく、外科的な治療が必要になることもあります。

歯磨き粉は歯周病の治療薬ではありません。 歯磨き粉は、歯の表面の汚れを落とし、口臭を防ぐ補助的な役割を果たします。

歯周病を予防・治療するためには、正しい歯磨き方法をマスターし、定期的に歯科医院で検診を受けることが大切です。

 

 

最後に

歯周病を予防し、健康な歯を長く保つためには、正しい歯磨き習慣が大切です。しかし、歯磨き方法を誤っていると、歯ぐきを傷つけ、かえって歯周病を悪化させてしまう可能性があります。

歯科衛生士による正しい歯磨き指導を受けることで、歯周病予防の第一歩を踏み出すことができます。

現在、歯ぐきの腫れや出血、口臭など、歯周病が気になる症状がある方はもちろん、何も症状がなくても、定期的な歯科検診をおすすめします。

早期発見・早期治療が、歯周病の進行を食い止め、歯を失うリスクを減らすことにつながります。

残念ながら、歯周病は一度進行してしまうと、元の健康な状態に戻ることは難しい病気です。

そのため、歯周病を予防し、再発を防ぐことが非常に重要です。定期的な歯科検診と、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアを受けることで、健康な口腔環境を長く維持することができます。

当院では、患者様一人ひとりの口腔の状態に合わせた丁寧な治療と予防指導を行っております。歯周病でお悩みの方はもちろん、健康な歯を保ちたい方も、お気軽にご相談ください。

 

記事監修

デンタルテラス中之島 院長:小森 一輝